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2009年4月末より、豚インフルエンザS-OIV(swine flu, Swine-Origin Influenza Virus)新型インフルエンザの話題で持ちきりです。このウイルスは表面のタンパク質の種類により、H1N1型と呼ばれ、いわゆるA型インフルエンザに属します。どうやら本年3月末にはメキシコと接する米国南カリフォルニアで検出されており、それ以前からメキシコで流行が始まっていた模様です。ウイルスの遺伝子は今までのものと異なり、北アメリカの豚の間で流行っていたインフルエンザウイルスの遺伝子を含み、一部ユーラシア大陸の豚のウイルス遺伝子も含まれていました。豚のインフルエンザウイルスが混ざりあって交配したウイルスです。これが人に感染しやすく変化し、メキシコから北米へ広がりました。
季節性のインフルエンザとは、スペイン風邪、アジア風邪、香港風邪と呼ばれた過去に世界的な大流行をみた"元"新型インフルエンザウイルスの子孫が毒性を弱めたものです。これらは毎年冬になると、順番に流行を繰り返します。季節性のインフルエンザは夏の間も人々の間で細々と係累をつなぎ、ウイルスにとって都合のよい冬になると勢いづきます。
流行の冬が終わった後、まだ巷に残っているウイルス株や世界の他の地域で流行ったウイルス株の種類が調べられ、翌年流行しそうなウイルス株を予測します。予測されたウイルスをターゲットとし夏の間にこしらえたワクチンを皆さんは予防接種しています。
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